1

Citroën DS19

むかし飯田橋に「深夜プラス1」という書店がありました。深夜1時までやっているのでその名前なのかと思っていたのですが、同名の『深夜プラス1』(Midnight Plus One)というイギリスの推理小説があり、それを由来としたミステリー専門店だったという事を最近知りました(普通の本屋的な品もちゃんとありましたが)。

シトロエンDS19

(以下ネタバレですが)小説の内容は第二次大戦時にレジスタンスとしてフランスを支援していたイギリスの元エージェントが、戦中同志だった弁護士からある資産家を警護付きでタックスヘイブンであるリヒテンシュタインまで送り届ける依頼を受け、謎の追手と抗争しながら逃走を続けるというものです。

シトロエンDS19

その前半で主人公が駆るのが黒のシトロエンDSです。内容のほとんどは道程での攻防が占め、DSは中盤で待ち伏せを仕組まれ2台のルノー4Lに突っ込み大破するのですが、途中でシトロエンIDも登場したりDS大破後はシトロエンのバン(車種不明)で移動を続け、最終的にはロールス・ロイス ファントムで目的地に到達するなど、車が大きな役割を果たします。

シトロエンDS19
相棒のやたらジタンを吸うアル中のガンマンや、不明の相手への電話を繰り返す依頼主の秘書など怪しい行動の人物が交錯し、真相を推理する要素もあるのですがそれ以上にハードボイルドなロードムービー、といった感じの疾走感ある話です。

シトロエンDS19

写真はエブロのシトロエンDS19です。かなり独特な構成のプラモデルでエンジンやミッションから生える駆動軸に付くディスクブレーキの再現や、窓枠のメッキモールは全て別パーツになっているなど通常の車のプラモデルとは一線を画しています。しかもボンネットやドアも開閉し、サスペンションがプラのしなりで動く(触りすぎると壊れそうですが)、屋根も外せるなどギミックも楽しいです。

シトロエンDS19
プロポーションも良いと思うのですが、実車写真に見えるボディサイド下端を通る非常に微妙な折れ角がなぜか表現されていません。プラスティック整形の限界でしょうか?少し削ってみたのですがエッジが立つようにはできず無駄だったようです…

シトロエンDS19

説明書には書かれていませんが、余剰部品を利用してルーフ後端のウインカーケースがステンレスではなく赤いプラスティックになっているDSの廉価バージョン、ID(イデー)にすることができそうです。ただIDは幾つかのデバイスが簡略化されてるそうなので外見以外にエンジンルーム内も変更する必要があるのかもしれません。

シトロエンDS19

またフォグランプの部品も同封されており、しかもボディフロント内側裏に穴位置も付いているので、2灯が増設されたID19 Pallasへの発展も考えられているようです。Pallasはフロントバンパーとサイドモールが異なるようなので部品追加でバリエーション展開するのかもしれません。リアのシトロエンマークはメタルデカールという輝きのある物で再現されています。ただ実物は薄く金色っぽく見えるのですがシルバーとなっています。
エブロからはルノー4Lがでてますし、シトロエン2CVのバンもあります。『深夜プラス1』に登場する車を網羅する日も近いのかもしれません?

シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19 シトロエンDS19

DS19は仏エレールからも1/43と1/16で出ています。しかし内側2灯がステアリング連動の4灯式になった後期型DS21、DS23はフランスでもプラモデルがないようです。エブロからはそれらもバリエーション展開してくれるとたいへん嬉しいところです。

1 thought on “Citroën DS19”

コメントは停止中です。