マセラティ・メラクは1972年発表のスーパーカーです。シトロエンとマセラティの共同開発でシトロエンSMと共通のエンジンを積み、メカニズムも共通化され当初はライト開閉やブレーキ制御にシトロエンのハイドロニューマチックによる油圧制御技術を採用していました(のちに廃止)。
ジウジアーロによるデザインは前身のマセラティ・ボーラをベースにしており、ミッドシップに積んだエンジンの排気でハッチバック内に熱がこもる問題を解決するため、エンジンフード部分を外気にさらすノッチバックスタイルに改められ、スタイリングを保つためフード上に2本のアーチが設けられています。
ボーラと良く似たスタイルながらそこがメラクのアイデンティティーとなってます。スーパーカーブームの中では割に脇役的扱いだった気がしますが、端正ながら抑揚のあるダイナミックなスタイルです。
写真はナカムラ(中村産業)の大昔のプラモデルです。シトロエンとの関係が解消された後のMerak SSがプロトタイプです。
モーターライズで走らせるための模型という感じの作りで、ワイパー一体成形のボディはがっちりと分厚く、リトラクタブルライトも閉じた状態で固定です。また共通部品なのかトレッドが妙に狭く、そのまま組み立てるとかなりオモチャっぽいのですが、ボディ造形はとてもよくメラクらしさを表現していると思います。
トレッドや車高をボディに合わせて調整し、サイドウインドウのサッシがごついのでくり抜いて塩ビ板に置き換え、ハセガワフィニッシュでサッシを表現しました。フロントウインドウも凹み過ぎなのでキットのウインドパーツから切り出し嵌め込み式に改造。一体成形のワイパーは削り取り、省略されたドア内張りや上げ底の後席ともどもプラ材で簡単に自作しました。
フロントマスク周りをもっとディティールアップすればよかったと思いますが、良いスタイルの1/24が手に入り満足です。このナカムラの他に、バンダイ、クラウン、ツクダホビー、アリイ、グンゼ、エアフィックスなど数多くのメーカーからプラモ化されていたらしく、記憶とは違い実際にはかなりの人気車種だったのかもしれません。すべて絶版なのが残念です。栃木の魔方陣スーパーカーミュージアムに実車が展示されています。
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