アウディ クワトロが登場するまで4WDといえば悪路走破のための駆動方式であり、オフロードタイプの自動車に搭載されているものでした。それまでも乗用車ではスバル レオーネの4WDがありましたが、悪路/雪道走破のためのパートタイム4WDであり、通常よりかなり高い車高をもち普通のセダンとは言いがたい物でした(2代目まで?)。
クワトロの4WDは常に4輪で駆動するフルタイム4WDで、高速走行時の安定性を目的としたそれまでに無い発想のものでした。レオーネもその後フルタイム4WDを採用し、悪路に限らないロード走行をも目的とした4WDへとコンセプトを変更していきます。
WRCにも市販車ベースにチューンした車輛が投入され大活躍をし、その後のWRCカーのほとんどがフルタイム4WD車に成り変わるほどの影響を与えました。
オリジナルのクワトロは2ドアのクーペタイプで、80年代的なスクエアなスタイルでありながらスポーティでクリーンなデザインです。
その後グループ4がグループBに変更されたとき、ホイールベース短縮&軽量化等で運動性を高めた完全にレース用の“スポーツ・クワトロ”がホモロゲーション取得のため200台程度生産されました。オーバーフェンダーが張り出し車幅も広くなり迫力を増した非常にカッコいいスタイルですがオリジナルクワトロほどは活躍しなかったようです。希少な車種でありオークションでかなりの高値が付いているようです。(→スポーツ・クワトロ)
クワトロはその後AUDIの4WDシステムを指す言葉となり、各車種にクワトロが設定されるようになります。
写真はタミヤの『アウディ クアットロ』です。たしかに当時の呼び方はク“ワ”トロではなく、ク“ア”トロ、もしくはク“アッ”トロだった気がします。クワトロ現役時のかなり昔に出たプラモデルで作ったのも随分と前ですが、モールドもキレイで精度もよく直ぐ組み立てられました。ワイパーも十分に細くホイールのメッキもギラギラしすぎない落ち着いた綺麗な物です。
ヘッドライトが分割されているので初期型(シリーズ1?)のようです。後期型になるとコーナーのウインカーも含めて一体でカバーされているようです。プラモは現在スポット生産のようですがオークションでも割に出ており入手は容易かもしれません。これは市販車バージョンですがラリーバージョンもあります。タミヤからは当時ラジコンも出ていましたが、オフロード仕様の車高が高くホイールの大きなシャシーが使われており、実車とはさらに逆のコンセプトのマシンだったのが可笑しいところです。
残念ながらスポーツ・クアトロのプラモデルは無いようですが、AUTOartから1/18のモデルがでていた記憶があります。出来れば同スケールで並べてみたいものです。